三連勝(3rensho)のフレームの生い立ちと買取について
2018.04.03
3人の発起人のうちの1人は元来大学の自転車競技部を出た競技者でありましたが、他人が手がけた他社のフレームを使用したロードバイクには乗りたくないという思いから、自分自身でフレーム作りを開始したのが3renshoの歴史の始まりです。
フレームにも印字されているブランドロゴは日本人のみならず外国人にも人気が高いのですが、よく誤認されるのが3renshoはあくまでもフレームの名称であり、発起人が立ち上げた会社のショップ名は別名が付けられています。
そのため、プロの競輪選手に対してフレームを開発し提供する傍らで自社のオリジナル製品を生み出して販売するといった経営も行われていたため、ブレーキなど細やかなパーツに至るまで全て同社のパーツで纏めるといった事も可能でした。
インパクトが強いブランド名には競輪に対するオーナーの強いが込められており、それは競輪において予選と準決勝そして決勝の3つのレースで全て優勝を果たすという願いです。
実際にフレームは非常に強い能力を有している競輪選手達に好まれて使用されましたが、まだまだ使用する事ができるものの激しい競輪という舞台では耐久性能が懸念材料になり始めたフレームに関しては、中古品として中古ショップに出回るようになりました。
つまり、一般的に自転車店に陳列されている3renshoのフレームというのは一度プロの競輪選手が実戦で使用した中古品という事になり、各ショップがメンテナンスと耐久性能チェックをした上でユーザーに販売している形になります。
オークションなどの個人売買を除き基本的に3renshoのロードバイクが完成車として販売される事はなくフレームに合わせてハンドルをはじめステムやサドル、クランクやペダル、ギアやホイールなどを組み合わせて一台のロードバイクを組んでいくという様子です。
また、複数枚のギアが装備されているロードバイクが一切存在しないというわけではないですがシェア率を見た場合低いのが実情であり、やはり圧倒的に大部分を占めているのは競輪用です。
競輪用というのは一見ロードバイクと同じに見えるものの似て非なるものであり、大きく異るポイントはギアの枚数とペダルの動き方についてです。
ロードバイクは一般的な自転車と同じように足の動きを止めても車体は前進していきますし、上り坂や風向きなどによりペダリングが重たく感じられた時には、ギアを軽くする事によりペダリングも軽くなります。
しかし、競輪用はギアが一枚しかないのでペダリングの速さを変えなければ車速を速くする事ができない上に、足を止めると急ブレーキがかかり車体も停止してしまいます。
チェーンを介し後輪とペダルの動きが連動しているという仕組みなので固定ギアと呼ばれる事もあるのですが、固定ギアであるが故に気を付けなくてはならない事がある一方で、一般的な自転車にはない楽しい乗り心地に浸る事ができます。
後輪の動きと自分の足の動きが連動しているためまさに人馬一体という感覚で走行する事ができ、まるで地面を蹴って進んでいるような独特な乗り心地が味わえます。
そうした魅力的な乗り心地により競輪用は90年代から2000年代のはじめにかけて一大ブームを巻き起こし、すっかり自転車の一つのカテゴリとして確立しました。
そのような一大ブームの最中に憧れとして中心にあったのが3renshoであり、個々の目的や感性によって組み上げられた独自の自転車は全てが唯一無二の主役として存在し、自転車にオリジナリティを持たせるという楽しみ方の火付け役をした立役者です。